いま“ピンク映画”と聞けば、アダルト向けのエロ映画と思うだろう。
アダルトビデオが出現する以前の、映画版AVだと。
確かにその側面はあった。しかし、それはピンク映画のほんの一部でしかない。

若松孝二、高橋伴明、周防正行、井筒和幸、滝田洋二郎……
現在の日本映画界を牽引する才能がそこに集い、エロスの大海原でそれぞれの表現を競い合った。
一般映画を遙かにしのぐ熱気と才能がそこに在り、多くの若者たちを熱狂させたのだ。

そしてまた、若き日の田中欣一もその現場でスチールカメラマンとしてのキャリアをスタートしたひとりである。 若き巨匠がピンク映画の現場で撮り貯めた、“もうひとつのピンク映画”。
それがこのギャラリーである。